Back Drop Bomb

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BDB Recording Film

BDB Recording Film
@"MACHINES WITH MAGNETS STUDIO"
in PAWTUCKET.RHODE ISLAND USA / Sep,10-30 2007



“ロックであれば何でもいい!!!!!!!
本物が作りあげたロックの新たなカタチ!”
(tex by YOSHIAKI IKEDA)

 “ロックであれば何でもいい”このアルバムを聴いて、思わずこんな言葉が頭をよぎった。まぁ、言うのも野暮ですが、偉大なるバンドWIREの名言“ロックでなければ何でもいい”の逆。ただこんな時代だからこそ、この言葉の意味はWIREのそれと本質的に同じ意味になるのではないか?ロックを越え、新たな音を作り出そうとしたWIRE、かたやあらゆるロックのスタイルが出そろったとも思えるこの時代に、あらためてロックと向き合い、あえてロックすることで新たな音=新たなロックを作り出そうとするBACK DROP BOMB。(以下、BDB)本質的な部分で同じじゃないですかね、自分たちのいる時代を壊して再生しようとする心意気は一緒、どうでしょう?ただ、ここでいう2者の “ロック“はちょっと違っていて、WIREの“ロック“とは凝り固まったティピカルなイメージや保守的なもの=ネガティヴなものと捉えていたのに対し、BDBの“ロック“はスタイルではなく世界で一番カッコいい音=ポジティヴなもの(かつ今だからこそのあえての意味も込めて)をさしているのだが。

 と、ここまできたところでまたしても、ふと思う。一体、このバンドはなんなのだろう?いきなり“なんなの”と言われても、読んでいるほうが“なんなのさ”と思うでしょうが、小手先の歯の浮く言葉で持ち上げて、煽動して、飽きたら…なんてことを考えているわけではないので、しばしお付き合いのほどを。勢いだけで説明できるほど、このバンドは“浅く”ないので。僕から見て、このバンドの存在は興味津々で、底の見える底ナシ沼みたいな感じ。このバンドのことは、分かったようでいて分からないし、その逆でもある。そういった思いが、引きつけられる部分であり、奥の“深い”バンドと思わせる理由でもある。こういったことや一言では説明できないスケール感が、ややもするとBDBを難解なバンドと“勘違い”させる。が、今回のアルバムを聴けば、それを勘違いだったと気付くはず。それこそ彼らこそがネクスト・ミクスチャー・ロック!や、新たなロックの形!とか、ロックとダンスを融合させたバンド!という言葉だけで説明できたらこんなテキストは必要ないわけで、そのキャッチーなフレーズに収まりきらないからこそ、苦労するわけですよ。つらつらと言葉を並べるわけですよ、想像力の欠如しつつある時代を恨みながら…。分かってもらいたい!なんたって今回のアルバム、本当にカッコいいんですよ。で、こんなアルバムを作り出した彼らを分かりやすい規格に押し込めるのはいかがなものか?とも思うわけ。安易な一言に押し込めて瞬間的にBDBを理解していただけるのであれば、あえて言いますよ。ネクスト・ミクスチャー・ロック・バンドだ!と、間違いではないですから。でもでもでも…。で、話を戻すと、ここまで読んでみてBDBに興味を惹かれませんか?興味を惹かれない?まぁ、では続きを。

 BDBの今作は気合いが入っていますよ。今作は、ロードアイランド州のパータケットにあるスタジオ、MACHINE WITH MAGNETで3週間に渡って、録音/ミックスを行った。ここは、BATTLESやCLAP YOUR HANDS SAY YEAH(1ST)のアルバムが作られたスタジオ。とはいえ、BATTELSやCLAP YOUR HANDS SAY YEAHみたいな洋楽ファンに訴求することを考えてアルバムを作りました、なんてはずもなく、全然違います。いや、全然というのはそれも違うか。(実際、角度は違うが洋楽ファンも納得の内容だ)表面的に共通点はないが、本質的な部分での共通点はある。どこか?って。まずはこんな話から。BATTLESの”ATLAS”という曲は、ドイツのテクノ・シーンでロックのリズム、シャッフルの曲が流行ったことで、テクノに持ってかれたシャッフル、つまりはロックを自分たちで取り戻そうということで作られた曲。ダンスをロックが飲み込む感じ、それを今回のBDBのアルバムからはヒシヒシと感じる。共通点は、まずはロックありきという考えで作り出す新たなロックという部分であり、ロックへのこだわり。あっ、ここで言っときます、今作は完全無欠のロック・アルバムなので。

 メンバーそれぞれは音楽的な知識も豊富で、彼らの音楽好きにビックリさせられることもしばしば、クラブで出くわすこともたまには。一度、あるメンバーと最近の音楽で〜、なんて話をした時に出て来たアーティスト名は以下。まぁいわゆるダンス・ロックなバンド名はもちろんのこと、JUSTICE、ED BANGERなんてのも当然として、SINDEN、M.I.A、SWITCH、DIPLOなどなど。その時出てこなかったけど、出てきてもおかしくなかったのはSOUTH RAKKAS CREW、THE COOL KIDSにFLYING LOTUSあたりか。まぁ、そういう話が普通にできてシーンの動向なんかも分かっている。あるメンバーは、ライブの時にはCRASSやFUGAZIのT-SHIRTS着ていた。(このバンドのチョイスからして、ロックをファッションと捉えてないことが分かるでしょ?)バラバラな個性を持ち、そのいずれかの個性のに偏るでもなく、中庸、もしくはそれ以外の所でぶつかり合い生まれた新種の音。それがこのアルバムだろう。

 ここには、2人のヴォーカリストによる日本語、英語の歌がある!変幻自在なギターがある!タイトなリズムがある!そのすべてがギリギリでキワキワ、緊張感を持ちながらヒリヒリと刺激的に一つになっている!それぞれの個性が一ヵ所でぶつかり合ってILL!!! BDBから感じるスケールの大きさの由縁はココ、ココなんですよ!そして、ただ色んな要素を安易にミックスするのではなく、ロックという土台がある上ですべてを飲み込む。これぞ、ネクスト・ミクスチャー・ロック!だ!わざとらしいですかね…。ただ、彼らに感じるミクスチャー感覚、それは安直なものではないし、真似でもモドキでもなく、時代のハヤリの音に迎合し取り入れちゃいました!的なものでもない。今、彼らは時代に媚びることなく自分たちの位置を築こうとしてるんじゃないかなーと思う。真似するでもフォロワーに甘んじるでもない、自分たちで磁場を作り出す。これって大変なことだと思う。で、それを支えているのは、新たなものを作り出す者としての意地なのでは?そんな彼らが今、作り出したのがこのアルバム。そして出てきたのが、“ロックであれば何でもいい!!!!!!!本物が作りあげたロックの新たなカタチ!”これがBDBを説明する時に最適な言葉かな。わざとらしくないでしょ?

 で、このアルバムを聴いて、あなたはどう思う?

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